荒川弘(作)『銀の匙 Silver Spoon』第8巻の要約(あらすじ)・感想・考察・解説

第62話 秋の巻31

要約(あらすじ)

場所は学校の寮。

駒場 一郎が学校を休んでから1週間が経つ。

八軒 勇吾など同級生達は、駒場が学校を休んでいる理由を知らない。

同級生達は駒場を心配する。

場面は、休日の馬術部の厩舎に変わる。

馬術部の厩舎では、八軒・木野 広行御影 アキの3名が作業をしている。

そこに、馬術部顧問の男性教師・中島 美雪(よしゆき)が、馬術部の厩舎にやってくる。

中島は、八軒・木野・御影に、前日と当日に食べたメニューを尋ねる。

すると、木野が前日に納豆を食べたことが判明。

中島は、納豆を食べた木野を残し、八軒と御影をチーズ加工室に連れて行く。

場所は、チーズ加工室に変わる。

中島・八軒・御影が白衣に着替えチーズ加工室に入室すると、チーズ加工室の窓の外から常盤 恵次吉野 まゆみが覗き込んでいる。

中島は常盤と吉野にチーズ作りを手伝うことを許可する。

今日作るチーズはラクレット。

中島はチーズ作りを進める一方、八軒・御影・常盤・吉野には洗い物ばかりさせる。八軒達は洗い物の多さに辟易するが、中島は八軒達にチーズの試食をさせることで不平不満を抑える。

途中、常盤は昼食として食堂から納豆巻きを調達し、チーズ加工室に持ち込もうとしたが、中島と吉野に追い出される。

前日または当日に納豆を食べた者は、チーズ作りに関わることができないのだ。

木野と常盤は2人で納豆巻きを食べる。

チーズの仕込みだけで1日が終了する。チーズの完成は3か月である。

八軒・御影・吉野は馬術部の厩舎に戻り、木野・常盤と合流する。

一同は、駒場の戻りを願っているが…

実家のベンチで佇む駒場の姿で、今回の話は終わる。

感想・考察・解説

第62話は、ギャグ要素を多分に含み、比較的ほのぼのとした、明るいストーリー展開であった。

それがゆえに、第62話の終わりに駒場が佇むシーンは、暗さが際立っていた。

ストーリーの明るさと暗さのコントラストが利いている。

第62話では、チーズ作りの過程で、レンネットという酵素が登場する。

レンネットはもともと仔牛の第四胃から抽出された酵素である。レンネットには、牛乳を凝固させるという性質があり、チーズ作りに必要な物質である。

仔牛を屠殺してレンネットを抽出している、という事実は、酪農や乳製品に詳しくない人間にとっては衝撃的であろう。

本作品は、酪農を過度に美化せず、負の側面をきちんと描いている点が、評価できる。

第62話はチーズ作りの工程を丁寧に説明しているという点で、知識・教養が身に付く話である、と言える。

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